イーサリアムをウォレットから送金する際ですが、特殊な送金手数料(Gas)がかかります。
この記事では、そのGasの仕組みについて簡単に説明します。

送金時に、通貨としてのイーサリアム(Ether)を、Gas(燃料)として使う仕組みが使われるため、この手数料のことをGasと呼んでいます。例えるなら、イーサリアムを使用する時に必要な燃料ということです。

たとえば、ビットコインはトランザクションを承認してもらうための手数料として、BTCを支払いますが、イーサリアムではETHではなくGasで支払います。

ETHでなく、あえてGasという単位を使用しているのは、通貨と燃料代とを別々に区別する目的があるといわれています。

イーサリアムは、送金時だけでなく、スマートコントラクトを実行するための処理や、ブロックチェーン上にデータを保管するストレージ使用料としてもGasという単位が使用されます。


|なぜGasが必要なのか?

送金やスマートコントラクト実行の際、ブロックチェーンにその契約の実行履歴が全て公開・記録されなければなりません。その記録が正当なものと判断するための承認作業は、マイナーと呼ばれる人がコンピューターのリソースを使って行う作業であり、その対価として手数料が支払われていることになります。

もし報酬がなければマイナーは存在しなくなり、ブロックチェーンに記録を残すことができないので、トランザクションはいつまでたっても成立しなくなります。取引の正当性を証明するマイナーを確保するためのものであると考えられています。


|Gasの価格をどうやって決めるのか

Gasの値段は自分で決めることが可能で、手数料は次のように計算できます。

手数料 = Gaslimit(使用するガス量) × Gasprice(1Gasの値段、単位はGwei)

Gaslimitは使用するガス量のことで多ければそれだけ速く送金することができます。
そのため、送金を急がないときは少ないGasで送金するということも可能なのです。

例えば、Gas limitが21,000 GasでGas priceが20 Gweiの場合、送り手は最大で以下の手数料を支払うことになります。

【21,000 Gas × 20 Gwei = 420,000 Gwei = 0.00042 Ether】

イーサリアムの管理を取引所で行っている場合は、送金時の手数料が固定で取られていることが多いため、基本的にガス代を操作する必要性はないでしょう。


|トランザクションが増えるとGasが高騰

トランザクションの数が市場で大きく増えると、ブロックに収めることのできるトランザクションの上限を超えるため、トランザクションの実行に時間がかかるようになり、トランザクションが遅延するという状態になります。

この際、Gasで報酬を得ているマイナーは、Gasが多く設定されているトランザクションから処理していくため、手数料が高騰してしまうということになるのです。

Gas設定額の現在の目安を下記サイトより、確認することができます。